咳ぜんそくと漢方
「もう何ヶ月も咳がとまらない」
「夜になると咳が続いて眠れない」
「季節の変わり目にはいつも咳がでる」
「吸入薬を使っても治らない・・・」
「ステロイドや咳止めは使いたくない」
咳が止まらない・・・漢方薬局にいらっしゃる方で多いご相談の一つです。
誰もが経験したことがある咳という症状ですが、長引くと生活の質を下げる深刻な疾患です。
咳ぜんそくとはどんな疾患?
咳ぜんそくとは、2~3週間、ひどいときは数ヶ月、慢性的に咳が続く気管支の病気です。
咳ぜんそくの症状
咳ぜんそくは痰を伴わない空咳が特徴です。
日中も咳がでることがありますが、深夜から早朝にかけて悪化するケースが多いようです。
いろいろな刺激に対して気道粘膜が過敏になり、風邪や運動、天候、会話などちょっとしたことがきっかけで炎症や咳の発作が起こります。
咳の程度はさまざまですが、長期にわたると睡眠に支障がでたり、筋肉痛による胸部痛や骨折を起こすような強い咳が出ることもあります。
気管支喘息との違いは咳ぜんそくでは喘鳴(呼吸時のゼーゼー・ヒューヒューという音)や呼吸困難を伴わず、呼吸機能も正常、という点です。
咳ぜんそくの原因
咳ぜんそくの原因はアレルギーです。
咳ぜんそくでは、喀痰、肺胞洗浄液、気管支粘膜の生検、組織中(気管支鏡を用いて採取した気管支の表面の細胞の塊のこと)に好酸球が増加しており、ほぼ気管支喘息と同様の変化が起こっていると考えられています。
そのため、咳ぜんそくの方でアトピーなど他のアレルギー疾患を併発する方も多くいらっしゃいます。
引き金となるものは、風邪などの感染症、たばこの煙、気温や湿度の変化、会話、運動、飲酒、ストレス、ハウスダスト・・・様々なものがあげられます。
病院で検査をしても原因を物質を特定できないことが多くあります。
漢方の咳ぜんそく治療
咳ぜんそくの漢方薬をお選びするときに大切なポイントは3つあります。
- 気管支の炎症を抑える
- 免疫力(アレルギー反応)の調整
- 自律神経の乱れ
咳の症状がひどく、激しく咳き込むようなことが多い場合はまず気管支の炎症を抑える薬を用います。
強い気管支の炎症には「麻黄」「石膏」「杏仁」が余分な熱を取り去り肺気を整えます。
風邪の後の咳が長引く、など免疫力の乱れがある方には「人参」を使用した方剤が功を奏します。
外からの変化に敏感に反応してしまう方には自律神経を整えて粘膜を強くする「蘇葉」「厚朴」を用います。
自分でできる咳ぜんそく対策
咳ぜんそくでは、根本的には免疫の乱れが原因ですので、養生では肺単独ではなく、体全体のはたらきを整えることが重要です。
他のアレルギーや花粉症と同じように、エアコン、薄着、夜型生活、過労、過食(カロリー過多)、冷飲食などの生活習慣がきっかけで病気を発症します。
特に胃腸に負担をかける食生活は肺の機能に影響するようです。
冷たい飲み物食べ物は避け、夜間症状がでやすいようなら夕食を軽めにするようしましょう。
とくに胃腸の弱い子どもに牛乳のような消化に負担が大きいものをたくさん飲ませることは避けるようにしましょう。
お一人では解決が難しいと思う方、ご不明な点がある方はぜひご相談ください!
(効能効果には個人差がございます。当内容は同等の効果を保証するものではございません。ご了承ください。)