間質性肺炎の症例

目次

副作用の重い治療をするしか方法はないの?

40代女性・初期の間質性肺炎

毎年受けている健康診断のレントゲンで異常が見つかり、再検査へ。間質性肺炎の特異的検査値であるKl-6が593U/ml(基準値は500U/ml以下)で、初期の間質性肺炎と診断されたそうです。

間質性肺炎は息切れや咳、呼吸困難などの症状が現れて初めて受診、そして診断されることがほとんどです。ゆっくりと進行するため肺機能がかなり低下してから治療を開始するケースも。この方のように自覚症状が全くなく、早期発見できたことは幸運と言えます。

進行した間質性肺炎ではステロイドや免疫抑制剤、肺の繊維化を防ぐ薬などが用いられます。この方の肺炎は免疫異常が原因と診断されたため、医師より長期のステロイド治療を勧められました。しかし、自覚症状がないのに副作用が強い治療をすることに納得がいかず、かといって、このまま何もせずに悪化するのを待つのは耐えられない、と漢方に救いを求めていらっしゃいました。

肺の機能を保護し、炎症を鎮める薬を提案しました。手間はかかるのですが、生薬ひとつひとつにこだわることができる煎じ薬で服用していただくことになりました。

自覚症状がないので大きな変化を感じることは出来ませんでしたが、3ヶ月続けていただきました。

3ヶ月後の定期検診で、レントゲンに変化はなく酸素濃度、肺活量も問題ありませんでした。しかし、間質性肺炎の特異的検査値であるKl-6が593→497U/mlに低下。ご本人はもう、正常範囲の数値だ!とお喜びいただきました。

間質性肺炎の治療は肺機能を維持することが目標です。この方は幸い初期に発見されていますので、今のまま治療を継続していけばよい状態で肺の機能を維持していけると思います。

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