花粉症と漢方薬

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「マスクをしていても口の中が痒い」
「鼻水と目のかゆみがひどくて眠れない」
「薬を飲んではいても年々症状がひどくなるような気がする…」
「眠気やだるさがでるので薬を飲みたくない」
「大切な時期なのに集中力が落ちて…子供の受験が心配」
「この季節は気分が晴れない…」

花粉症とは、植物の花粉が原因で生じる季節性アレルギーの総称です。患者数は年々増加し、今では日本人の4人に1人は花粉症に苦しんでいます。

花粉症の原因

花粉症の原因物質で最も多いものはスギですが、他にもヒノキ、イネ、ヨモギ、ブタクサ、ハンノキ、カナムグラなどもあります。
原因の花粉の飛散時期を抑えておくと予防や症状緩和に役に立ちますので、花粉症かな?と思ったらまずその症状が出ている時期をご自身で確認してみてください。
東海地方の花粉症は特にスギやヒノキ、イネが多いようです。

花粉飛散カレンダー (東海地方)
ハンノキ1月中旬~4月中旬
スギ2月初旬~6月初旬
ヒノキ3月中旬~4月下旬
イネ3月下旬~10月下旬
ブタクサ9月
ヨモギ8月中旬から10月中旬
カナムグラ9月中旬から11月初旬

花粉症の症状

花粉症の3大症状はくしゃみ・鼻水・鼻づまり。
それに加え目の症状かゆみ、涙、充血や皮膚のかゆみ、下痢、熱っぽさが現れることがあります。
それだけではなく、集中力や思考力の低下、外出の支障による人付き合いへの差し支え、頭痛や倦怠感や睡眠障害、イライラ感や打つなどの精神症状。
また、鼻づまりで口呼吸の回数が増えると口からウィルスが侵入し風邪にかかりやすくなります。
花粉症は多くの人がQOL(生活の質)の低下を訴える現代病です。

花粉症のメカニズムと西洋薬

私たちの体は異物が侵入するとそれが無害か有害を判断し、有害であれば排除するシステムが備わっています。
体内のリンパ球が何か有害な異物が侵入したと判断するとこの異物に反応するIgE抗体というものを産生します。
次に同じ異物が侵入するとIgE抗体が反応し、鼻や粘膜にある肥満細胞がヒスタミンやロイコトリエンなどの化学物質を分泌します。
ヒスタミンはくしゃみや鼻水で異物を体外に追い出し、ロイコトリエンは鼻づまりで異物が入り込むのを防ぎます。
この排除システムが本来無害である花粉で働いてしまうことが花粉症のメカニズムです。

抗アレルギー薬と言われる薬は肥満細胞が分泌する化学物質であるヒスタミンやロイコトリエンの働きを邪魔するものです。
眠気や倦怠感などの副作用がでます。
重症例では効果の高いステロイド治療が行われることがありますが、粘膜異常や月経不順などがおきることがあります。

花粉症が増加している理由

花粉症は戦後初めて報告された現代病であり、1960年代から急激に増加しました。異物を排除するという私たちが本来もつメカニズムがどうして誤作動を起こすようになったのでしょうか?

理由1: スギ花粉の増加
戦後に大量に植林されたスギが開花の適齢期、さらに地球温暖化により花粉飛散量が増加。

理由2: 排気ガス・大気汚染
排気ガスなどで汚染された大気中の微粒子がIgEの産生しやすく、花粉症を発症を促進。
また、舗装されたアスファルトが地面に落ちた花粉が再び舞い上がりやすくなった点。

理由3: 食環境の変化・不規則な生活リズム
質の悪い脂質、冷たい飲食物、睡眠不足、ストレスなどが花粉症の誘因に。

理由4: 住宅環境の変化
通気性の低い住宅やオフィスでのダニ・カビの温床、さらに建材に使用される化学物質がアレルギーの発症を促進。

漢方の花粉症治療

東洋医学では花粉症を「水毒」・「水滞」と捉えます。

「水毒」「水滞」とは体内の水が正常に循環していないという状態です。水が滞り、その水が粘膜に集まることでくしゃみ、鼻水、鼻づまり、目の充血、かゆみや頭痛などを引き起こします。

湖や川など、水辺は気温が低いことと同じように、水が滞るところは体内であっても冷えがおこります。また、冷えは水をよび、さらに水滞を悪化させます。漢方薬では冷えた臓器を温めることで巡りが悪くなった水を動かし、正常な状態に戻します。

花粉症に対応する薬でよく使われるものはまず、肺を温めて水の循環を改善するものです。肺は体の表面、皮膚や粘膜の働きを調整します。その肺を温め外への守りを強くする”麻黄”“桂枝”が入る漢方薬を用います。

また、水の吸収と循環に大きく関わる”脾”の不調によって起きる花粉症もあります。このようなケースでは脾を温めて水の循環をよくする”茯苓””白朮”などが入った漢方薬を使用します。

冷えや貧血症状が強いときは“虚”が強いので優しく温める薬を。この場合根治治療として貧血の改善が必要となることもあります。

鼻づまりや黄色い鼻水が出るようなときは鼻粘膜の炎症を抑える”辛夷””川芎”がポイントになります。

ここであげた漢方薬は比較的即効性が高いものですが、場合によっては体質改善力が強い長期飲む漢方薬をおすすめすることもあります。
また、症状が根深いようなケースは漢方の効果を高める健康食品を併用することもあります。

自分でできる花粉症対策

症状の軽減、予防で欠かせないことはまず物理的な接触を避けること。
花粉症の季節は外出時のマスクや眼鏡を忘れずに、帰宅時は体についた花粉は振り落として家の中に持ち込まないようにしましょう。

アレルギーを引き起こす原因となる物質が多いと花粉症を引き起こすIgEの産生が高まるためハウスダストやカビにも注意が必要です。
ペットを飼うこともできれば避けた方がいいですが・・・どうしてもという時は掃除をこまめにする、寝室には入れないようにするなど工夫をしましょう。

夏の冷房による冷えや、冬の暖房による内熱の蓄積は体の寒熱のバランスを崩します。
特に花粉症の人は上半身の冷えに注意しましょう。

冷えが原因となっている場合は冷たい飲み物食べ物はもちろん、果物や生野菜、苦いものやアクの強いものも避けるようにしましょう。
女性は生野菜、男性はビールをはじめとした冷たい飲み物が特に多いようです。

肉や乳製品、油の多い食品もまた胃腸に負担をかけて”脾”を痛めますのでおすすめできません。

ストレスや睡眠不足など自律神経が乱れるきっかけになるもことも症状の重症化につながります。
ゆったりとお風呂に入る、適度な運動をすることは体を温めるので重要です。

花粉症を発症している方は口腔アレルギー症候群(OAS)も併発することが多くあります。
口腔アレルギー症候群は果物や野菜などが口腔内の粘膜に触れてアレルギー反応を起こし、口腔内の刺激感やかゆみ、のどのつまりを引き起こすことです。
これは花粉症の原因であるIgE抗体が花粉だけではなく特定の野菜や果物にも同様に反応を起こしてしまうためです。
花粉症を持つ方は次の表に示した食品に注意しましょう。

花粉果物・野菜
スギ・ヒノキトマト
ハンノキリンゴ・モモ・大豆
イネトマト・スイカ・メロン・オレンジ
ヨモギセロリ・ニンジン
ブタクサメロン・スイカ

自覚症状がなければ食べても構いませんが、多く摂取することは避けた方が無難です。火を通すとアレルギーをおこしにくくなることも覚えておきましょう。

花粉症と間違えやすい症状

花粉症の症状は風邪など他の疾患でも出現しますので、中には「自分は花粉症だと認めない!」という人もいらっしゃいます。
疾患の正しい鑑別は治療の大きな一歩です。

花粉症と風邪

花粉症と風邪は初期症状がよく似ています。
一番大きな違いは風邪が短期間で症状が変化し、一週間程度に治まることに対し、花粉症では花粉が飛散している間の数ヶ月ずっと継続することです。
また、風邪の時の鼻水は黄色く粘り気があり、花粉症では透明でさらさらした鼻水が大量に出ます。
そして花粉症では特に朝くしゃみ、鼻水がでます。
さらに、風邪で目の症状が現れることはありませんので、目のかゆみや違和感があれば花粉症と考えて間違いないでしょう。

花粉症とアレルギー性鼻炎

アレルギー性鼻炎は体の中に異物が侵入することで鼻の粘膜に炎症を起こし、くしゃみ、鼻水、鼻づまりを引き起こします。
アレルギー性鼻炎の中で季節を問わず一年中現れるものを「通年性アレルギー」、特定の時期だけ現れるのは「季節性アレルギー」つまり花粉症です。
通年性アレルギーの原因物質はダニ、カビ、ハウスダスト、ペットの毛が多いようです。
通年性も季節性も治療経過は似ていますがきちんとアレルギーの原因物質を特定することで予防効果や重症化が期待できるので、疑問に思えば医療機関で検査をすることもおすすめです。

花粉症と副鼻腔炎(蓄膿症)

副鼻腔とは、鼻の周囲にある骨の空洞です。この空洞に風邪などのウィルスや細菌が感染することで膿がたまったり、鼻づまりや鼻水が現れる疾患です。
花粉症の鼻水がさらさらと透明なのに対し、副鼻腔炎では粘り気のあるどろっとした鼻水で色も黄色や緑、口の奥にたれる後鼻漏となることも多くあります。
炎症がのどに広がると、咳や痰がでたり、頭痛や歯痛、中耳炎を引き起こすことも。
風邪と同様に通常は1~2週間で直りますが、場合によっては慢性化して症状が繰り返すことがあります。

副鼻腔炎について詳しくはこちらをごらんください

花粉症と黄砂・PM2.5

黄砂は中国大陸から風邪によって運ばれた粒子が細かい砂で、PM2.5は火山や自動車の排気ガスなど、ガス状の大気汚染物質が空中で粒子化したものです。症状は花粉症の3大症状(くしゃみ・鼻水・鼻づまり)に加えて目の違和感や咳、皮膚のかゆみです。花粉症と違う点は粒子がより細かいため、肺にまで入り込み重篤な呼吸器疾患、場合によっては心血管系にまで影響します。季節も花粉症と重なるため紛らわしいですが、炎症が起きている部位が異なるためその鑑別は重要です。

花粉症のよくある質問

花粉症の漢方薬は副作用がありませんか?

だるさ、眠気、胃腸障害、むくみ・・・漢方薬で花粉症を、と考える方は西洋薬での治療で副作用が出た方が多くいらっしゃいます。
正しく体質でお選びした品質のよい漢方薬ではそのような副作用が出ることはほとんどありまんので安心して服用いただけます。

妊婦や子供でも飲めますか?

妊娠中の方でも服用できる漢方薬はございますのでご相談ください。お子さんはご年齢と体質に合わせて提案をご用意いたします。

西洋薬と併用しても大丈夫ですか?

併用は問題ありませんが、場合によっては飲み方に特別な指示をさせていただくことがあります。また、長期外用のステロイド剤を使用されていた方は治療が長引くことがあります。

花粉症のお客様の声

「長年の花粉症が漢方1日で?」

お一人では解決が難しいと思われる方、ご不明な点がある方はぜひご相談ください!

(効能効果には個人差がございます。当内容は同等の効果を保証するものではございません。あしからずご了承ください。)

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