子宮筋腫と漢方薬
「生理痛が重くて、痛み止めが手放せない」
「経血量が多くて生理中は行動が制限されてしまう」
「筋腫があっても妊娠できる?」
「手術はできれば避けたいんだけど・・・」
子宮筋腫は女性の90%以上が生涯に経験するとまで言われるとても頻度の高い疾患です。
無症状のケースも多く、命に関わることもないので特に治療を行わない例も多いですが、場合によっては重い生理痛や経血量が多いことによる貧血など、日常生活に大きな影響を与えます。
また、筋腫の大きさや位置によりますが、妊娠しにくくなったり、早産のリスクが上がるなどの弊害も生じます。
子宮筋腫とは
子宮筋腫とは子宮にできる良性の腫瘍です。
無症状のケースも合わせればほとんどの女性が経験すると考えられるとても頻度の高い疾患です。
腫瘍ができる場所・数・大きさによって症状は異なり、無症状のまま過ごす例も多くあります。
場合によってはキャベツほどの大きさの腫瘍が見つかることもありますが、大きくても命に別状はありません。
大きくなったり、数が増えると月経過多やそれによる貧血、生理痛、腰痛や頻尿、不妊や早産の原因になることもあります。
無症状の場合は経過観察で様子をみることも多いですが、日常差し支えるような苦痛や妊娠を希望している場合は薬物療法や手術などが必要となることもあります。
子宮筋腫は3つのタイプがあります。
粘膜下筋腫
子宮の内側にできる筋腫です。
生理痛や月経過多など、生理のトラブルの原因となり、場所によっては早産や不妊も引き起こします。
筋層内筋腫
子宮の筋層内にできる筋腫です。
小さい内にはあまり自覚症状はでませんが、大きくなると粘膜下筋腫同様の生理トラブルや不妊などの原因となります。
漿膜下筋腫
子宮の外側に向かって大きくなる筋腫です。
生理痛や月経過多などの自覚症状が現れにくいため経過観察となることが多いですが、それだけに放置して大きくなってしまうケースも。
物理的に子宮外の臓器を圧迫するため腰痛や頻尿などの症状が出ることがあります。
子宮筋腫の原因
子宮筋腫の原因は女性ホルモンの1種であるエストロゲンです。
エストロゲンに対する感受性が強い、もしくはエストロゲンが多量に分泌されているのどちらかもしくは両方と考えられています。
エストロゲンレベルが下がれば筋腫は小さくなるので、閉経すれば自然と症状は改善します。
子宮筋腫の症状
月経過多
子宮筋腫で最も問題になるのは月経過多、経血量の多さです。
漿膜下筋腫ではあまり問題にならないことがあります。
貧血
経血量の多さから、鉄欠乏貧血になるケースが多くあります。
疲れやすさ、だるさ、冷え性、爪がもろい、皮膚の乾燥などが気になるなどの症状があれば貧血があるかもしれません。
頻尿・便秘
筋腫が大きくなることで物理的に周りの臓器を圧迫することも。
下腹部には排泄器官がありますので、頻尿や尿がでにくい、排尿痛や便秘・排便痛が現れることがあります。
生理痛・腰痛
子宮筋腫がある方は生理痛も多い傾向です。
生理痛だけではなく、腰痛を併発することも多くあります。
経血にレバーのようなものが混ざる
生理時の血液にレバーのようなドロドロした血の塊が混じることがあります。
漢方の子宮筋腫治療
漢方の世界では筋腫のような塊ができることを血液の流れの悪さ(瘀血)と捉えます。
そのため子宮筋腫の方におすすめする漢方薬は血流を改善する薬が第一選択となります。
血流をよくすると生理前症候群(PMS)や生理痛、冷え性などの症状の改善にも繋がります。
代表的には桂枝茯苓丸・桃核承気湯・通導散・折衝飲などが使われます。
血の流れの悪さに伴って水もたまりがちな方には薏苡仁や茯苓などが用いられます。
生理時の経血量が特に多い場合は出血を止める薬と出血過多によって心配される貧血を改善する薬を組み合わせて服用していただきます。
女性の体は生理周期で変化するため、周期に合わせてお薬を使い分けることもあります。
子宮筋腫の方に気を付けて欲しいこと
子宮筋腫がある方は血流を良くすることが大切です。
お風呂(湯船)に毎日つかりましょう
ぬるめのお風呂にじっくりつかりましょう。手先、足先の毛細血管が開き血液が巡ることでお薬の効果も良くなります。
冷たいものの飲食は避けましょう
胃腸の冷えは全身の冷えに繋がりますし、食品の栄養素や薬の吸収も妨げます。
冷やした飲み物だけではなく、サラダやお刺身なども注意が必要です。
シナモンやネギやショウガなどを温める食材を一緒に食べる、もしくは温かな汁物などを一緒に食べるなど対策すると良いでしょう。
運動をしましょう
激しい運動でなくてもいいので、ストレッチやサイクリングなど取り入れやすいものに挑戦しましょう。
特に下半身を動かすことが大切です。
血液を粘らせる食品を避ける
白い砂糖は体を冷やしますし、血液の粘りの元になるので避けましょう。
同様に、乳製品も毎日習慣的にとるのは避けた方が良いでしょう。
ストレスを避ける
緊張したときに手が冷たいと感じることはありませんか?
ストレスは血流悪化を招きますので、上手にストレスとは付き合っていきましょう。
体のゆとりがなくなると心のゆとりもなくなります。
疲れたと思ったら無理をしない、早めに休むなど心掛けましょう。
子宮筋腫でお悩みの方へ
命に関わらない病気、といっても子宮筋腫は女性の生活に大きく影響します。
月に1度寝込むように痛い、鎮痛剤でごまかして仕事に出なくてはいけない、友達との約束をキャンセルしてしまう、周りに心配をかけてしまう、やりたいことを我慢しなくてはいけない・・・自分は生理が重いのだから仕方がない、生理とはこういうもの、と諦めてしまっている方が多いのではないでしょうか。
手術やホルモン療法も、即効性があって有効です。
時間がかかりますが、漢方薬でも子宮筋腫が小さくなって、生理の苦痛が軽くなった方はたくさんいらっしゃいます。
苦痛をただ我慢して、大切な時間を奪われるなら専門家に相談して納得のいく説明を受けて欲しいと思います。
生理の悩みに振り回されず、あなたらしい人生を歩んでください。
子宮筋腫のお客様の声
お一人では解決が難しいと思う方、ご不明な点がある方はぜひご相談ください!
(効能効果には個人差がございます。当内容は同等の効果を保証するものではございません。ご了承ください。)