慢性腎臓病(CKD)と漢方

写真ACからのBerutaさんの作品

「治らない病気と言われて、不安・・・」
「もう少し悪化したら透析と言われた」
「腎臓が原因で他の症状も悪化している」
「透析だけはなんとか避けたい」

慢性腎臓病はさまざまな原因から腎臓の機能が数ヶ月から数年にかけて徐々に傷害されていく疾患です。腎臓の病気は高血圧、動脈硬化、脳卒中や心筋梗塞などさまざまな合併症を引き起こし、進行すると透析治療が必要となります。一度失われた腎臓の機能は戻らないため、早めに治療を開始し、進行を遅らせることが重要になります。

腎臓の役割

腎臓はそらまめのような形をした握りこぶし大の大きさの臓器で、左右に一つづつ腰の辺りにあります。

腎臓は私たちの体を正常に保つ様々な働きがあります。

老廃物を体から排出する

腎臓は血液を濾過して体内の老廃物を排出し、水分やミネラルなど必要なものは再び取り込む役割があります。

腎臓は毛細血管の塊である糸球体を持ち、そこに流れ込んだ血液から老廃物や水分をこし取り、きれいになった血液を再び体循環に戻し、水分と不要物を尿細管へと送り込みます。
尿細管ではここで体に必要なものと不必要なものを再び精査し、必要なものは血液に運ばれ不必要なものは尿として排出されます。

腎臓の機能が衰えると徐々に尿が出なくなります。
老廃物の排出ができないのでだるさ、吐き気、食欲不振、頭痛などのほか、呼吸困難や出血傾向が現れることがあります。

血圧を調整する

腎臓は水分とミネラルの排泄量をコントロールすることで血圧を調整します。
血圧が高いときには塩分と水分の排出量を増加させることで血圧を下げ、血圧が低いときは塩分と水分の排出量を減少させることで血圧を維持します。
また、腎臓は血圧を維持するためのホルモンを分泌させ、血圧が低いときには血圧を上げます。

腎臓が傷害されるとこの血圧を調整する機能が正常に働かず、高血圧になることがあります。
また高血圧症は腎臓に負担がかかるため腎機能低下の原因になります。

血液を作るホルモンを出す

血液(赤血球)は骨髄の中にある細胞が、腎臓から出るホルモン(エリスロポエチン)の刺激を受けてつくられます。

腎臓の働きが悪くなると、このホルモンが出てこなくなってしまうため、血液が十分につくられず貧血になることがあります。

体液量やミネラルバランスを調整する

腎臓は体内の体液量やイオンバランスを調節したり、体に必要なミネラルを体内に取り込む役割も担っています。私たちは水分やミネラルの摂取をいちいち計算せず飲食ができるのは腎臓が細かく調整してくれるためです。
腎臓が悪くなると体液量の調節がうまくいかないため、体のむくみにつながります。 また、イオンバランスがくずれると、疲れやめまいなど、体にさまざまな不調が現れることがあります。

強い骨を作る

骨の発育には複数の臓器が関わっています。その中でも腎臓は、カルシウムを体内に吸収させるのに必要な活性型ビタミンDをつくっています。
腎臓の働きが悪くなると活性型ビタミンDが低下し、カルシウムが吸収されなくなって骨が弱くなるなどの症状が出てくるおそれがあります。

慢性腎臓病(CKD)とは

慢性腎臓病とは時間をかけて進行するすべての腎臓病のことをさします。実は、国内に慢性腎臓病の患者は1330万人(成人の8人に1人)いるといわれ、新たな国民病と言われています。

慢性腎臓病はメタボリックシンドロームと関係が深く、誰でもなり得る疾患です。
腎臓は体を正常に機能させるための大切な制御をしているため、その腎臓の疾患はさまざまなリスクを引き起こします。

慢性腎臓病は早期発見でかなり改善することが可能ですが、あるレベルまで悪化してしまうと回復が不可能になります。放っておくとどんどん進行して、透析療法や腎臓移植が必要となる可能性もあります。

そのため、慢性腎臓病は早期の発見、対策により進行を遅らせることが大切になります。

慢性腎臓病の症状

慢性腎臓病は初期にはほとんど自覚症状がありません。進行すると、夜間尿、むくみ、貧血、倦怠感、息切れなどの症状が現れてきます。

早期発見が大切な慢性腎臓病ですが、症状が現れたときにはかなり進行しているケースがほとんどです。
体調の変化に気を付けているだけでは発見はほとんど不可能です。

そのため慢性腎臓病の発見には定期的に健康診断を受け、尿や血圧の検査をすることが大切です。
特に尿たんぱく陽性の方は要注意ですので、病院でくわしい検査を受けるようにしましょう。

慢性腎臓病の原因

慢性腎臓病の原因は多岐にわたります。

急性腎不全や尿路結石などをきっかけに、高血圧や糖尿病などの基礎疾患によりリスクは高まります。

遺伝性の腎疾患である多発性嚢胞腎やAlport症候群など発症も原因となります。

そのほかにはNSAIDS(解熱鎮痛剤)や抗菌薬など、腎臓に負担をかける薬剤や、喫煙や肥満などによる脂質異常症、高尿酸血症などにも注意が必要です。

慢性腎臓病が進行すると?

慢性腎臓病が進行すると慢性腎不全(腎臓が機能していない状態)となります。
体のin&outをコントロールしている腎臓が働かないため、過剰な水分をとらない、塩分を控えるなどの厳格な食事制限が必要となります。

先に述べたように腎臓は血圧の調整、骨や血液を作る大切な役割があります。
腎不全になるとこれらが不十分となり、血圧の上昇、骨が弱くなる、貧血傾向になるなど全身にさまざまな不調が表れます。

特に血圧を初めとした循環器への影響は重大です。腎不全の方は心筋梗塞や脳卒中などの循環器疾患のリスクがそうでない方と比較をすると3倍近くにのぼります。

また、老廃物を排出できないと血液中に毒素がたまる“尿毒症”になる恐れがあります。尿毒症は全身の臓器の障害であり、頭痛や意識障害、心不全、胸水の貯留、視覚神経異常など多岐にわたり、放置すると数日で死に至るといわれています。

そのため、進行した腎不全患者の方は腎移植を受けたり、透析治療を行う必要となります。

腎移植は全ての方が希望して受けれる治療ではありませんし、透析治療となれば週何度か病院に通う必要があります。
慢性腎臓病の進行は著しく生活に影響を与えます。

慢性腎臓病を進行させないために

遺伝的、体質的な要因が影響することも多い慢性腎臓病ですが、進行を遅らせるためにできることもあります。

腎機能を守るために避けて欲しいこと

慢性腎臓病を進行させないために改善して欲しい生活習慣です。できることから始めましょう。

  • 喫煙
  • 過度な飲酒
  • 運動不足
  • 不規則な生活

いずれも腎機能を低下させるばかりか、合併症である心血管病のリスクにもなります。

毎日の食事で気を付けること

基本的には他の生活習慣病と同じです。

  • 塩分のとりすぎに注意する
  • バランス良く適量食べる

腎臓病といえばタンパク制限と思う方もいるかもしれませんが、初期の腎臓病では必要ありません。
というのもタンパク質は腎臓や血管を構成する大切な材料ですので、タンパク質が不足しては腎臓の正常な機能は維持できません。
質の良いタンパク、豆製品、魚介類を中心にしっかり食べるようにしましょう。

ただ、タンパク質を代謝するときに発生する燃えかすが腎臓の負担になることも事実ですので、進行した腎臓病では制限も必要となります。この辺りのさじ加減は専門家とよく相談しましょう。

これに加えて刺激物、ショウガや唐辛子などは腎臓の炎症を悪化させますので避けるようにしましょう。

漢方の慢性腎臓病治療

腎臓は細かな血管がびっしりつまった臓器ですので、血流の滞りは大きな負担になります。腎臓の負荷を減らすために血流を改善する活血薬、例えば、丹参や紅花などを用います。

同様に、動脈硬化を避け、しなやかな血管を維持することも大切になります。釣藤や黄連、黄芩などがその手伝いをしてくれます。

また、高血圧は腎臓病の進行を加速させます。ストレス状態を確認し、血圧のコントロールを改善するお薬を併用していただくこともあります。

慢性腎臓病の症例

糖尿病性腎臓病の症例

新規透析導入の原因疾患で一番多いものは糖尿病性腎症です。

掛川市・60代男性。26才から糖尿病の指摘あり、今も内服治療中。透析導入を先延ばしにするために来局。

原疾患である糖尿の治療のため食事指導を行いました。漢方薬は腎臓の働きをよくするため利水剤と解毒力を高める薬を基本に、血糖コントロールを改善する生薬を加えて経過観察。

3ヶ月の服用で

  • クレアチニン  6.12→4.89
  • eGFR     8.1→10.4 
  • カリウム値   5.1→4.5(正常値に)
  • 尿酸値     7.7→5.9(正常値に)

お医者様も驚くほどの改善が見られたと喜んでいただきました。
そうは言ってもまだ透析回避にはほど遠いので漢方治療継続中です。

慢性腎臓病でお悩みの方へ

腎臓病は初期の症状が現れにくく、いつの間にか進行している病気で、日本人の8人に1人の確率で罹患する国民病です。しかし、一度失った腎機能を取り戻すことは現代の医療では難しく、最終的には透析や腎移植など厳しい治療を選択せざるを得なくなります。

医師に治る見込みがないことや、透析の可能性を指摘され絶望的な思いをされている方もいるのではないでしょうか。

過去に戻ることはできません。失った腎機能を取り戻すことは難しいことです。でも、悪化を少しでも送らせる、今できることは漢方薬にまだ残された可能性です。あきらめる前にご相談ください。

お一人では解決が難しいと思う方、ご不明な点がある方はぜひご相談ください!

(効能効果には個人差がございます。当内容は同等の効果を保証するものではございません。ご了承ください。)

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