過換気症候群と漢方薬
「突然呼吸が速くなり、息が吸えなくて・・・」
「緊張すると呼吸が苦しくなって周りに迷惑をかけてしまう」
「いつ発作がおきるのか外出が不安で仕方がない」
「息苦しさだけではなく、痛みやしびれもする・・・」
過換気症候群とは、ストレスなどの原因で呼吸過多になり、頭痛やめまい、手の指先や口のまわりのしびれ、呼吸困難、失神など、さまざまな症状を起こすものです。過呼吸症候群ともよばれています。
過換気症候群とは
過換気症候群は、男女問わずあらゆる年齢層の方に起こりえますが、特に若い女性に最も多くみられます。
原因の多くは精神的ストレスに伴う出来事によって引き起こされます。
過換気症候群はパニック症と重複すると部分がありますが、それぞれ別の疾患です。
パニック症患者の約2分の1は過換気症候群を有し、過換気症候群患者の4分1はパニック症を有します。
パニック障害についてはこちらをごらん下さい
過換気症候群とは、脳によって無意識にコントロールしている”呼吸”がストレスによって乱れる状態です。
例えば、極度の不安や緊張などで息を何度も激しく吸ったり吐いたりする状態(過呼吸)になると、血液中の二酸化炭素濃度が低くなり、呼吸をつかさどる神経(呼吸中枢)により呼吸が抑制され、患者さんは呼吸ができず息苦しさを感じます。
このため余計に何度も呼吸しようとします。
血中の二酸化炭素濃度が低下すると、血液がアルカリ性に傾き、血管の収縮がおき、手足のしびれや筋肉のけいれんや収縮も起きます。
患者さんは、このような症状のためさらに不安を感じ、呼吸がさらに乱れ悪循環に陥ります。
過換気症候群の症状は息をしにくい、息苦しい(呼吸困難)、呼吸が速い、胸が痛む、めまいや動悸、手足のしびれ、筋肉のけいれんや硬直など多岐にわたります。
精神的緊張により単発的に生じる「急性型」と、日常的に不定愁訴や慢性疲労を認め、発作を繰り返す「慢性型」があります。
慢性型は明らかな息苦しさではなく、頻回な深いため息のように現れるケースもあり、疾患として見逃されることも多くあります。
一般的に過換気症候群の予後は良好で、数時間で改善しますが、再び発作を起こすのではないかという不安から患者さんのQOLに大きく影響を与えます。
自分でできる過換気症候群対策
まず、この疾患にかかったことがある方は過度な緊張や不安などが起きる状況をさけるような注意が必要です。
うつ病などの精神疾患や不安症、パニック障害などがある方はそれらに対する治療が発症防止に有用です。
過換気症候群はストレスがかかれば誰にでも起こりえる疾患です。
できるなら、身近な人には症状がでやすいことを伝えておくといいでしょう。
発作がおきそうだと感じたら、意識的に呼吸を遅くすることで改善します。
まずはゆっくり呼吸をするようにしましょう。
”ゆっくり3秒吸う→5秒制止→ゆっくり3秒吐く”
”5秒かけて吸う→10秒かけて吐く”
など、呼吸の仕方は様々です。
自分に合うやり方を探して、事前に対処できるように練習しておきましょう。
深い呼吸で行う運動は発作の予防に役に立つのでストレッチやヨガなど日頃から習慣づけるとよいでしょう。
以前よく知られた紙袋を口に当てることで一度吐いた二酸化炭素をもう一度吸わせる方法は、酸素不足になる恐れがあるため、十分な注意が必要です。
専門家でない限り行わないようにしましょう。
漢方の過換気症候群治療
漢方では過換気症候群をストレスによる「気毒」と捉えます。
体内を巡る気が頭部や上半身に集まって循環が悪くなってしまったケースには”桂皮“”甘草”が入った「気の上衝を抑える薬」を使用します。
気毒に合わせて「水毒」が加わることで動悸や不安感が強くなっているような場合には”茯苓”“白朮”が入った「水の巡りを良くする漢方薬」を合わせます。
過換気症候群でよくある質問
病院のお薬を飲みたくない・・・漢方で治りますか?
不安感が強い方など、病院で抗不安剤が処方されることがあります。
病院の薬で不安感が軽減し、発作が出にくくなったという方もいらっしゃいますが「根本的な治療ではない」「副作用でいつも眠気がでる」「効果があまり実感できないな」どの理由で飲みたくない、という方も多くいらっしゃいます。
漢方薬は眠気やだるさなどの副作用も少なく安心して服用できます。
また、きちんと服用を続けていただくと、休薬したあとも発作がでることはほとんどなくなったというケースも多く見られます。
加えて、不安を感じることが少なくなったなど、過換気症候群の症状だけではなく、ストレス自体に強くなったように感じる、という方もいらっしゃいます。
病院のお薬を服用中の方も減薬、休薬は慎重に時間をかけて行う必要がありますが、漢方との併用は可能ですのでぜひご相談ください。
外に出ることが怖くてそちらに行くことができません・・・
直接お話を伺うことができることが一番ではありますが、どうしてもこちらに来られない場合にはヒアリングシートにて漢方薬をお選びし、配送させていただくことが可能です。ご遠方でも対応させていただきますので、お気軽にご連絡下さい。
お一人では解決が難しいと思う方、ご不明な点がある方はぜひご相談ください!
(効能効果には個人差がございます。当内容は同等の効果を保証するものではございません。ご了承ください。)